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どうなってるの?日本の水 〜グローバル化と世界の水道民営化〜
(みんなで水ひろばキックオフ集会)

2017年02月22日

水情報センター 事務局長 辻谷 貴文

 20161120日(日)13時より、明治大学リバティタワーにおいて、都内の市民グループらで集まった「みんなで水ひろば Public Water Forum 」が主催する「どうなってるの?日本の水 〜グローバル化と世界の水道民営化〜(みんなで水ひろばキックオフ集会)」を開いた。

これは、2003年に麻生副総理が「日本の水道は全部民営化する」と発言して以降、第二次安倍内閣より急加速している「公の領域の市場化」と連動して、日本各地の水道事業についても民営化が進められていく状況について、危機感を持った市民社会のオルタナティブなアクションである。

いま日本各地の水道は、将来計画性の乏しい業務の委託拡大や大幅な人員削減、さらには技術力ある職員の退職などによって人的資産が危機的状況にある。また、高度成長期などに建設された施設や設備の老朽化による更新期を迎えているとともに、近い将来には必ず来るであろう大規模な地震災害に備えた管路の耐震化など、物質的な問題についても危惧しなければならない状況を抱えている。

日本全国の水道は、いわばハード面もソフト面も極めて厳しい状況を抱えており、さらに加えて料金収入の減少や人口減少社会など、収入面においても好転は望めない状況から、人・物・金の三重苦の事態となっている。

安倍政権はこのような状況を踏まえて、経済成長にその優先度を持った新自由主義的思考で、「民営化すればバラ色」というような危険な政策を展開し続けている。

私たちは「代替えのきかないものを市場化してはならない」という思考のもと、将来にわたって持続可能な水道を展望するとともに、水道に対して同じような思いを持つ人々と問題意識を共有するため、市民社会でのゆるやかなネットワークを構築しようと行動を起こしたのである。

キックオフ集会では、市民一人ひとりが水環境や水道事業のことを考え、情報を共有できるプラットフォームとして立ち上げた「みんなで水ひろば Public Water Forum」の趣旨説明の後、水ジャーナリスト(アクアスフィア代表)の橋本淳司さんより「東京の水 いま知っておきたい基本の『き』」と題した講演を行い、日本や世界のみならず地球規模での水の問題から東京の水の問題などをお話いただいた。

続いて大田区議の奈須りえさんより「すすむ自治体の水道民営化 東京は大丈夫?」と題した講演を行い、PFI/コンセッションの運営権売却にからむ大阪市の動きや現在の公営水道の枠組みなど、フェアな民主主義を求める議員の立場でお話をいただいた。

続いてアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子さんより「世界の市民は水道民営化にNO!という」と題した講演を行い、この間のTPPの問題意識について水道という観点で問題点を提起するとともに、世界の水道事業が民営化から再公営化に向かっている流れについて報告もいただいた。

それぞれの講演の後に休憩をはさみ、休憩中に集めた質問意見用紙を材料にして、講師三人と東京水道労働組合の中川崇さんをファシリテーターにパネルディスカッションを行った。

パネルディスカッションでは、いま日本の「水」、そして水道はどうなっているのか?これからも安全で安心な「おいしい水」は手に入り続けるのか?経済優先の社会構造のなかで聞こえる「民営化」とは一体どういうもので、私たちの暮らしはどのように変わるのか?水の問題は住民自治の問題であり、私たちが当たり前と思っている蛇口の水から遠ざかったとき、水道は大変なことになるのではないか?といった危機感などをそれぞれの立場から発言された。

会場参加者からの意見は、その多くは水道事業の民営化に対する心配や懸念であり、いまの安倍政権が推し進めている経済性を優先した政策に対して、警鐘を鳴らすものであった。

パネルディスカッションの結びでは、中川崇さんが「とにかくみんなで問題意識を共有することが重要」と締めくくり、これからの展望や共有作業に期待を膨らませた。

この「みんなで水ひろば Public Water Forum」は、水に関心あるすべての人が参加できるゆるやかなネットワークであり、特定のグループや個人を排除するものではない。

 世界中でゆるやかに繋がるReclaiming Public Water Network(公共の水を取り戻す)の運動が欧米を中心とする市民社会に根付き、その結果に水道再公営化がトレンドとなってきた背景は、いまや大阪市の水道事業運営権の売却にからんで大阪の市民社会が日本の水道民営化問題について、その問題意識や行動を拡げる端緒となっているが、こうした今回の動きは、東京の市民社会についても同様の懸念や思考をもって動き出した運動の息吹である。

いま安倍政権は、現行水道法を変えることを前提に民営化への道へと突き進んでいる。生命(いのち)の水を取り巻く環境は待ったなしの状況であり、私たち市民社会にとって水が遠くなる事態はもうすぐそこに迫っている。水は生きとし生けるものすべてに必要なものであり、立場や考え方を超えてあらゆる人々ともに考え話し合わなければならない。
資料【PDF添付】

みんなで水ひろば1.pdf

みんなで水ひろば2.pdf

みんなで水ひろば3.pdf